【第二弾】小説家になろう【槻影編】

なろう企画第二弾です

 

前回、槻影さんが一番好きな作者だよって話をしたと思うんですが、今回はその掘り下げ回になります。各作品を紹介していきます。ただ好きな作家の好きな作品をあーだこーだ語っているだけの回です

 

①何回ガチャを引いてもレアが出ないから腹いせに書いたファンタジー

https://ncode.syosetu.com/n8016dg/

前回も触れたので軽めに。異世界の現地主人公ですね。ここでいう異世界とは地球とかの地名が出ないという意味ですね。というか槻影さんの作品は全部異世界です。前回の紹介ではタイトルにもある『ガチャ』という単語を用いましたが、召喚魔道士が新しい召喚獣と契約する時に対象がランダムで選ばれる世界で、めちゃくちゃ運が悪くてスライム(最弱種)しか出ない主人公が気が狂ったように召喚にチャレンジしまくる作品となってます。倫理観もぶっちぎってひたすらガチャに邁進する姿は現実のソシャゲ廃課金者にも通じるものがあるのではないでしょうか(怒られる)。前回も触れましたが会話文が少なく、話自体もダイジェスト気味にテンポ良く進んでいき起承転結もしっかりしてる良作中編です。40,000字くらいなので原稿用紙200枚分と考えるとまあペラペラの文庫本一冊くらいですかね?この作者の主人公は倫理観崩壊してる事が多いんですが、その中でも一番倫理観崩壊してます。ただ、前述の通りダイジェスト気味なので衝撃はそこまででもないかも

 

まとめ

文字数:41,748文字(完結済み)

総合評価:15,934pt

書籍化:されてない

個人的評価:10点/10点

主人公の倫理観:0点/10点

 

 

②Tamer's Mythology

https://ncode.syosetu.com/n9218ci/

ステータスが底辺の魔物使いが主人公の作品です。これを聞くとあーよくあるフェンリルだったり神様だったりをテイムする系の作品ねって思われるかもしれませんが毛色が全然違います。まず【魔物】使いって名前だけど扱うのは人間種だし、奴隷とかテイムとかいう概念じゃなくてただの契約社員。多種多様な種族が居る中で一番弱い種族である純人、純人の中でも最弱に近いステータスしか持たない主人公があらゆる努力と手段を使ってSSSランクの冒険者として活躍する話ですね。ステータスって言いますがレベルとかは(ほぼ)なく、項目としても魔力値と筋力値って単語がたまに顔出す程度のフレーバーですね。とにかく筋力と魔力を使わないことなら何でもできる主人公がまわりを振り回す姿は圧巻。知識、言語力、下準備、交渉、経験等で自分を一瞬でミンチにできるしスキルや洞察力の差で自分が嘘言ってもバレるような相手を手のひらで転がしていくのはすごい。この作者全般に言えるけどご都合主義に見えることも凄い綿密な伏線の結果だったりする。『僕がやってるのは必要最低限のこと』というフィルのセリフが文中にあるが、その当時は疑問があっても後から見返すとすごく納得できる。この主人公は倫理を投げ捨ててるんですが周りから攻撃されると困るのでバランスをギリギリ取っているためにガチャの主人公よりはマシ。でも普通に無辜の民を数字で比較して殺したりはするみたいですね。【伏線】という言葉が好きな人とかは楽しめると思いますね。現在100万文字に迫ろうかってぐらいの長さがあるので活字に慣れてないとちょっとしんどいかも。第一章と第二章があるので第一章だけでも読んでみてください。面白い。ちなみに主人公の職業、魔物使いの上級職であるブラッドルーラーは後述の『死者の王』って作品でナタとして登場してます。ナタになっちゃうテイマーって一体・・・。Tamer's Mythologyについてはこのブログの最後にネタバレ含む感想つけときます

 

まとめ

文字数:981,493文字(不定期連載)

総合評価:37,991pt

書籍化:されてない

個人的評価:10点/10点

主人公の倫理観:1点/10点

 

 

③堕落の王 

https://ncode.syosetu.com/n4760cl/

異世界転生ものですが転生要素はフレーバーですね。魔界が舞台で、悪魔は7つの大罪のどれかを持って生まれてます。それに合った行動をしたりすると能力が上がったりスキルツリーが成長していって強くなっていく世界観ですね。悪魔の中でも力を持つ魔王と呼ばれる存在が群雄割拠な勢力争いしていている世界です。主人公は怠惰の魔王で、怠惰に合った行動は何もしないことです。そして何万年も何もせずにゴロゴロしてた主人公は凄まじい力を持っています。その主人公を巡る物語となっています。主人公自身がデウス・エクス・マキナとなっている珍しい構図。そして、主人公が動くとそれは怠惰に反する行動となり、主人公の能力が落ちたりするのもちょっとおもしろい。主人公の口癖である、「良きに計らえ」の略である「よは」というセリフが結構好き。この作者の最初の書籍化作品ですね。あんまり売れなかったみたいですけど。倫理観はまああんまり持ってないけどそもそも行動しないし、行動したとしても争ってる相手を殺したりとかは倫理観関係ないと思えばまともな方かも?まあ評価に困るので中間ってことにしときますか

 

まとめ

文字数:981,493文字(完結済み)

総合評価:100,688pt

書籍化:されている

個人的評価:7点/10点

主人公の倫理観:5点/10点

 

 

④夢幻のソリストウォーカー

https://ncode.syosetu.com/n6410cv/

異世界召喚もの。これは昔一回読んだきりなのでぶっちゃけあんまり覚えてません。この作者にしてはあんまり合わなかったなーという印象。今となっては珍しくとも何とも無いヒロインが聖剣で女の子な話です。よくありますね。なろう系に詳しくない人は何言ってるかわからないと思います。意味不明ですね。何種類かの聖剣が物語に登場しますが、それぞれ伸び悩んでるところを主人公が悩みを解決してあげて真の力に目覚めさせる的なアレだったと思います。あんまり覚えてないのに取り上げるのもどうかなーと思うんですが、スルーするのもスッキリしなかったので軽い紹介だけですね。倫理観はまともにあったと思います。完結済みではありますが、物語としては全然続きを書ける状態なので根強いファンが再開を要望している姿をたまに見ます。が、作者は続きを書く気はなさそうですね。この作品だけ方向性がちょっと異彩を放ってるので試しに書いてみて満足したのかな?

 

まとめ

文字数:240,243文字(完結済み)

総合評価:13,261pt

書籍化:されていない

個人的評価:5点/10点

主人公の倫理観:8点/10点

 

 

⑤アビス・コーリン

https://ncode.syosetu.com/n9040eb/

ゲーム転生もの。珍しく転生要素がゴリゴリに入ってる。ガチャへの課金がエグ過ぎてガチャ規制の原因となり、今はサービス停止した廃課金ソシャゲ『アビス・コーリング』に転生した元コアユーザーがゲーム世界で大暴れする話です。転生のチートはあるんですがあくまで転生先の世界をゲームとして楽しむ為のチートであって圧倒的力があったりするタイプのチートではないです。ゲームに満腹度システムなかったからご飯食べなくても平気!みたいな。転生先を普通の世界として生きてる人々とゲームとして動く主人公のギャップが面白い。また、この作品あたりから事態がハチャメチャに絡まり、これどうやって収拾つけるんだ・・・?って困惑してしまうような話が多くなってきます。好き。クマがクマーーーーーって叫ぶシーンはなろうで一番笑ったシーンかもしれない。主人公の倫理観はひどいもんですが、結局行動としては大人しめに落ち着くことが多いので他の主人公より(たまたま)マシですね。書籍化はした(買った)けど続巻が出る気配はないですね。そして結構時間差で最近コミカライズが始まりました。コミカライズの売れ具合によっては書籍も続巻もあり得るらしいので頑張って欲しいところです。漫画は買わないけど。今度番外編の中編を書くって話を作者がしているので楽しみです。まだまだ世界観の触りしかやってない感じもあるし広げようとしたら無限に話を広げられるだろうしね

 

まとめ

文字数:739,382文字(完結済みだけどたまに番外編が更新される)

総合評価:73,210pt

書籍化:されているが一巻で打ち切り。コミカライズ三話が昨日公開された

個人的評価:10点/10点

主人公の倫理観:3点/10点

 

⑥嘆きの亡霊は引退したい

https://ncode.syosetu.com/n6621fl/

強すぎる幼馴染で構成されたパーティ【嘆きの亡霊】の弱すぎるリーダーが主人公の作品。あらゆる才能がない主人公です。ていまそと違うのはやる気も無ければ知能も無いところですね。クズ人間です。ただ、この主人公自身は自分に能力がないことを自覚しており、今すぐにでも冒険者を引退して危険から遠ざかりたいと思っているというのがタイトル。この作者には珍しくご都合主義を全面に押し出した作品ですね。主人公が適当に言ったりやったりする行動が結果的に良くも悪くも劇的な効果を生み出します。結果、本当にやる気も才能もないクズ人間の主人公がパーティ内で一番冒険者ランクが高く、その読めない手口から千変万化の二つ名を得ています。この作者の作品の中で一番総合評価が高く、書籍化もシリーズ累計20万部行っており、代表作と言えるでしょう。物語の当初に出てきてやべー性格だと思われてたティノがリィズが出てくることによりティノは全然真っ当な性格だったなってなったのに、その後シトリーが出てきてリィズも全然真っ当だなってなっていくの狂気を感じる。好き。主人公が無能過ぎるのとご都合主義がワンパターン化してしまっているので合わない人には合わないだろうなーとは思う。ただこういう安定した鉄板ネタがなろう読者にはウケが良いのかな

 

まとめ

文字数:1,273,344文字(連載中)

総合評価:239,970pt(最高点)

書籍化:5巻までされている。コミカライズも順調に続巻が出ている

個人的評価:9点/10点

主人公の倫理観:8点/10点

 

⑦昏き宮殿の死者の王

https://ncode.syosetu.com/n6621fl/

不治の病で小さい頃から寝たきりでそのまま死んでしまった貴族の主人公がアンデットとなって生き返って暴れまわるダークファンタジー。暗い世界観で、他の作品よりシリアス寄り。暗くなりすぎないようにするためか、合間合間にやたら明るいコメディーが差し込まれる。生前に自由に全く動けなかったため、自分を束縛するような状態を凄く嫌う。最初不遇で徐々に成長してチート化していくのはなろう読者の需要にキッチリはまっていると思う。強くなるに従って弱点もきつくなっていくのが逆張りで面白い。前の記事でも触れたが令和になった瞬間にランキング一位を取ったのは凄いですね。今の物語としては、いよいよチートを得た主人公がどう暴れるかが気になる。楽しみ

 

 

まとめ

文字数:592,267文字(連載中)

総合評価:160,183pt

書籍化:されている。コミカライズも順調に続巻が出ている

個人的評価:9点/10点

主人公の倫理観:2点/10点

 

 

 

 

なお、他にはカクヨムに魔王討伐という作品もありますが、今回の趣旨から外れるので取り上げません。この作品も評価が凄い高い作品なので読んでみてください

 

 

 

 

 

以下Tamer's Mythologyのしょうもないネタバレ感想

Tamer's Mythologyを読む前に読んだら面白さ壊滅なので注意

 

 

第二部の途中で酔っ払ったフィルが「ハーブで作った酒がなんで麦酒に分類されると思う?それは鑑定でそう出るからだよ!」みたいなことを急に言ってて全然周りに相手されてなくて何か急になんでそんな話が出たんだろう?このセリフだけ妙に浮いてるなあって思ってたんですが

これは分類は実態じゃなくて鑑定結果で分けられているんだよっていう伏線だったんですね。惚れ薬は実際には害があっても分類上は薬になるから回復呪文やスキャンをすり抜けるということへの布石。憑依と加護も同じこういうところでうおおおおおってなるよね。好き。

また、この話は別作品の『嘆きの亡霊』で白剣の集いでの興奮剤の件ともリンクしますね。当初、アンセムが耐性がありすぎて回復呪文も効かないみたいな話を聞いた時もビックリしたけどなるほどこういうバフで害される可能性とかも考えれば回復系にも耐性をつけとかないといけないのか・・・ってなります。好き

 

 

また、アリスがエティに憑依した件について。確かに憑依した時にフィルへの伝言を伝える時にちゃんと憑依したってしっかり伝えてるんですよね。憑依した相手がフィルなら会話とかができることから改めて伝える必要ないだろうってことは分かるので、この地点でエティに憑依したんだなって読めなくはない。後から読まなきゃ分からないけど確かに確かにって感じ。これぞ伏線。ちゃんと憑依した件をしっかりとアピールしてるし。その後目覚めたフィルは久しぶりに一人で不安だって発言してる。また、サブラクがフィルに薔薇を投げたときもフィルに掠ってるのにアリスからのリアクションがゼロだった。その前にハイルが攻撃して来た時は指示なしで当たる前に恐怖を発動したのにノータッチ。言われたら違和感ありありですね。また、大規模討伐後もハイルと別れた時に本当に一人だって発言があるしそこでもアリスがついてないことが分かる。(まあ実際は一人じゃなかったんだけど)ただ、ここは一人だとバレないように立ち回ったことと若干矛盾してるけど、逆にここで襲われなかったからバレてないと確信したのか?でも襲われてたらセーラじゃ勝てないだろうしどうしたんだろう。

 

また、大規模討伐の前の会議で、マクネスさんと、上位グループが全滅した時にやばいって話をしてマクネスさんを攻略チームから外した件、マクネスさんが死んだら機械生命種が管理できなくなる可能性があるから除外したんだろうなーって納得してたんだけど、そんなんじゃなくて単純に一緒にマクネスさんが行くともっと直接的に邪魔される可能性があるから除外しただけか?同行してたら記憶チップが取れたとしてもマクネスさんに渡す流れになって何も分からなかったって言われる可能性がある。また、逆に主が自害したのもマクネスさん的にもそれ以外やりようのない苦肉の策だったのか

 

そういやワードナーの記録装置どうなったんだろう。忙しいって断られたことしか覚えてないからまだアリスの収納の中にあるのかな?それを使えばなんとでもなった気がする。船のチケットを手配されてなかったら時間的に余裕があるからこのチップを解析して何とかしたのかもしれないですね。逆に機神の祭壇で得た情報は先に転送してしまったから何らかのジャミングとかされてるのかな?いや、そのデータの解析を防ぐために最終的にエティを襲うことにした説もなくはないか。うーん、エピローグで明かされるのかな?来週が楽しみだ

 

気になるのは「親玉をぶっ殺しに行く」って発言したところ。街中にある監視システムが絶対に切れてる保証が無いのにそんな発言するのフィルにしては不用意じゃないか?まあどうせ今から出発だからバレてるでしょ理論か?準備してたら誤魔化し切れないだろうし。

あと、感想で何件か、マクネスさんじゃなくて親玉を倒すために泳がせたのかみたいな発言あったけど、普通にマクネスさんが親玉って読めるんだけどな。じゃないと進退を決めるようなでかい判断その場でしないだろうし。もちろん先が見通せない話ではあるから可能性はゼロではないけど・・・

 

今度読み直す時はセーラの感情に引っ張られて動機したりしたって場面を探してみるか。見逃してるけど多分描写はどこかでされてるんだろうな